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発達障害の学生を支援する大学の取り組みと特別制度

目次

「大学って、自分には難しいかも…」と思っているあなたへ

「授業についていけなかったらどうしよう」
「人と関わる場面が不安…」
「生活リズムを整えるのが苦手で、自立できるか不安」

そう感じている方も、きっと少なくないと思います。

特に、発達障害やその特性を持つ方にとっては、大学という環境は「挑戦の場所」に見えることもあるかもしれません。
でも最近では、そうした不安に対して“前もって備えられる”大学が増えてきています。

支援があるからといって、すべての不安がゼロになるわけではありません。
それでも、「ひとりで悩みを抱え込まずに済む場所」があるというのは、大学生活を前向きにスタートさせるうえで大きな安心材料になるはずです。


発達障害=大学は難しい? そう感じるのも自然なこと

「ひとつのことに集中しすぎて、他の課題を忘れてしまう」
「講義中にメモを取るのが追いつかない」
「グループでの活動がうまくいかない」
「時間割を自分で管理するのが難しい」

こうした悩みは、発達障害のある学生に限らず、多くの大学生が一度は直面します。
でも、それが重なったときに「大学生活は自分には合わないのでは」と感じる人もいるかもしれません。

ただ最近では、こうした課題に対して、**大学側ができるサポートや調整=「合理的配慮」**を用意しているケースが増えています。
たとえば、試験の時間を延ばす、ノートテイクの協力を受ける、履修相談を受ける――
そうした手助けがあることで、自分の力をより発揮しやすくなることもあるのです。

「大学に通うこと=すべてを完璧にこなすこと」ではありません。
それぞれのペースで学びを続ける方法は、きっと見つけられます。


診断がなくても、相談できるケースはあります

「医師の診断を受けていないから、支援をお願いしちゃいけないのかな…」
そんなふうに感じる方もいるかもしれません。

たしかに、正式な制度としての支援を受ける際には、医師の診断書などが必要になる大学もあります。
ですが、「困っていることがある」時点で、まずは相談してみることができる大学も多いのが最近の傾向です。

たとえば──

  • 「対人関係で疲れやすい」「グループ活動が苦手」
  • 「注意がそれやすく、締め切りを忘れてしまうことがある」
  • 「大きな音や人混みに過敏で、キャンパスに通うのがしんどい」

このような悩みを持つ学生の中には、診断がついていない、いわゆる「グレーゾーン」と言われる人もいます。
そうした人たちに対しても、「まずは話を聞く」「困っている場面を一緒に整理する」といった初期段階の支援を行っている大学もあります。

支援を求めることは、「困っている自分を認める」ことでもあるので、勇気が必要かもしれません。
それでも、「困っているかもしれない」という気持ちの時点で、扉は開かれていることを知っておいていただけたらと思います。


支援を受けることは「努力を放棄すること」ではありません

支援を受けることに、どこかしら「特別扱いをお願いしているのでは」と不安になる方もいるかもしれません。
あるいは、「自分だけ配慮を求めるのはずるいことなのでは」と感じて、申し出ることをためらってしまうこともあるでしょう。

ですが、大学が提供している支援は、「公平に学べるようにするための環境調整」です。
たとえば――

  • 視力が弱い人がメガネをかけて授業を受ける
  • 体力に不安がある人がエレベーターを使う
  • 聴覚に特性がある人が講義の内容を文字起こしで受け取る

これらはすべて、「同じ内容を学ぶために必要な準備や手段」です。
発達障害の特性に合わせて、情報の受け取り方や試験の方法を調整するのも、同じ考え方に基づいています。

「無理をして同じことをやる」よりも、
「違うやり方でも同じゴールにたどり着けるようにする」こと。
その考え方が、大学の支援制度の根底にあります。

何かを「甘え」と決めつけるのではなく、学び続けるために必要な“手段のひとつ”として支援を利用することは、むしろ自然な選択なのではないでしょうか。


大学で活用できる主な支援制度一覧(発達障害のある学生向け)

ここでは、発達障害のある学生や、学びに不安を抱える学生に対して、大学で提供されることが多い支援制度の一覧を簡潔にご紹介します。
すべての大学に共通するわけではありませんが、「こういったサポートが存在する可能性がある」と知っておくことで、大学選びや入学後の行動にも役立つはずです。

支援内容概要期待される効果・使いどころ
ノートテイク(筆記補助)他の学生が授業内容を文字で記録し、共有してくれる注意がそれやすい/書くのが追いつかないときに安心して聴講できる
試験時の合理的配慮時間延長、別室受験、問題文の拡大・読み上げなど緊張しやすい、読むのが遅い、集中が続きにくい人に有効
課題・レポート支援提出期限の延長/口頭提出の許可/書き方の相談書く力に不安がある、長文を書くのが負担なときに使いやすい
履修・時間割サポート時間割作成の相談/課題管理の工夫提案/履修相談自己管理が苦手、予定を立てるのが難しい学生に役立つ
カウンセリング・定期面談メンタルサポートや対人不安への相談窓口一人で悩みやすい/人との関わりに不安がある人に
ピアサポート制度先輩学生が勉強・生活をサポート(伴走型)同世代のロールモデルと出会える/相談しやすい雰囲気がある
教材・情報提供の配慮デジタル教材への変更/文字サイズ調整など読みにくい教材、感覚過敏への配慮が必要な場合に対応
生活面の相談・調整通学・人間関係・自炊など大学生活全体のフォロー一人暮らしが不安な方や日常生活に課題がある場合に安心

※すべての大学で提供されているとは限りません。詳細は各大学の「障害学生支援室」や「学生支援センター」のページをご確認ください。


外部支援機関の一覧とその具体的支援内容

発達障害のある学生は、大学内の支援だけでなく、外部の専門機関やNPOなどと連携することで、より柔軟なサポートを受けられることがあります。

大学の外でも頼れる!外部支援機関とその支援内容

機関名主な支援内容こんなときにおすすめ
発達障害者支援センター(都道府県ごとに設置)進路・生活・就労に関する総合的な相談/専門職による支援計画作成/大学や家族との連携大学進学に不安がある/大学との連携サポートがほしいとき
地域若者サポートステーション(厚労省)キャリア支援・社会参加プログラム/対人スキルのトレーニング/就労支援就職や進路変更も視野に入れたいとき/人との関係性が不安なとき
LITALICOワークス(就労)大学卒業後を見据えた就労準備支援/自己理解や職場体験/SST(ソーシャルスキルトレーニング)将来の働き方に悩みがある/学びから就労へのつながりを考えたいとき
日本学生支援機構(JASSO)障害のある学生向けの学習支援事例・制度解説/奨学金制度などの情報提供支援制度を調べたい/全国的な支援傾向を把握したいとき

外部機関の活用ポイント

  • 大学と連携してくれることもあるので、大学生活の中で起きる困りごとに対して「外側からサポートの糸口を作ってくれる」存在になります。
  • 大学に言いづらいことも、第三者の視点で相談できるのが魅力です。

発達障害のある学生への支援が充実している大学【事例紹介】

「支援って、実際にはどんなふうに行われているの?」
「大学の中で、本当に困ったときに誰かが助けてくれるのかな…」

そんな不安を感じる方も多いかもしれません。
ここでは、実際に発達障害や特性のある学生が安心して学べる取り組みを行っている大学の事例を、わかりやすくご紹介します。

◼️ 筑波大学(茨城県)

  • 「障害学生支援室」が常設されており、履修や学生生活、試験の配慮に関する相談に対応。
  • 支援コーディネーターが在籍し、学生と教職員の橋渡し役に。
  • 入学前相談が可能なため、「受験前から不安を整理しておきたい人」にも心強い体制。
  • 支援情報を定期的に公開しており、大学としての姿勢が明確。

支援を“特別なもの”として扱わず、自然に大学生活に溶け込ませる雰囲気がある。

◼️ 立命館大学(関西圏)

  • 全キャンパスに「障害学生支援室」があり、ASDやADHDへの理解が高い。
  • 履修登録やレポートの進め方についても個別に対応。
  • ピアサポーター制度(在学生によるサポート)が整っており、相談しやすい空気がある。
  • 講義や課題の支援だけでなく、「人間関係の困りごと」も相談しやすい体制。

学生生活全体を見守る体制と、専門的知識を持つスタッフがそろっている

◼️ 昭和女子大学(東京都)

  • ASD傾向のある女子学生に特化した支援体制に強み。
  • 「感覚過敏」「空気が読めない不安」など、心理的な負担に丁寧に寄り添う。
  • 教員との距離が近く、何かあればすぐに声をかけやすい少人数制。
  • 卒業後の進路に関するサポートも手厚い。

「話しかけやすさ」や「変化への気づき」に優れた環境が整っている。

◼️ 放送大学(全国)

  • 基本は在宅で映像授業を視聴し、レポートや試験も自分のペースで進められる。
  • 通学不要のため、対人不安・感覚過敏などが強い方にも向いている。
  • 発達障害への専門的支援制度はないものの、「自分のペースで進める自由」がある点で大きな選択肢となる。

「他人と比べない学び方」ができる構造そのものが、間接的な支援になっている。

このように、支援の方法や体制は大学ごとに違いがあります。
大切なのは、「どんな支援が自分に合うか」をイメージして選ぶことです。


自分に合った大学を見つけるために ― 大学選びで注目したいチェックポイント

発達障害の特性がある方にとって、大学選びは「偏差値」や「知名度」だけでは測れない重要な選択になることがあります。
「安心して学び続けられる環境があるかどうか」を軸にして選ぶことで、大学生活がぐっと過ごしやすくなることも。

ここでは、大学を探す際にぜひ意識しておきたい視点をご紹介します。

チェック①:支援窓口の存在と情報のわかりやすさ

  • 「障害学生支援室」や「アクセシビリティセンター」が設置されているか
  • ホームページに、どんな支援があるのか具体的に書かれているか
  • 定期的に支援の実績や事例を公開しているか

💡支援窓口があるかどうかに加えて、「情報にたどり着きやすいか」も重要な判断ポイントです。

チェック②:個別対応の柔軟さと実績

  • 支援内容が一律ではなく、「その人の状況に応じた調整」が可能か
  • 過去に発達障害のある学生が在籍・卒業した実績があるか
  • 医師の診断がない場合でも、相談やサポートを受けられる体制があるか

💡マニュアル通りでなく、個人に合わせた支援ができる大学かどうかをチェックしましょう。

チェック③:講義スタイルや学び方の多様性

  • 少人数制/対面中心/オンライン併用など、講義形式に選択肢があるか
  • 履修の自由度や柔軟性があるか(単位の取り方、在籍期間の調整など)
  • 自宅学習が多めでも対応できる仕組みがあるか

💡自分にとって「無理なく集中できる形で学べるか」を想像してみるのがおすすめです。

チェック④:学生生活の過ごしやすさ

  • 大学の規模感(大規模で多様な人がいる or 小規模で落ち着いている)
  • 教職員との距離感(相談のしやすさ、対応スピードなど)
  • キャンパスの雰囲気(静かな環境があるか、感覚的に過ごしやすいか)

💡実際にオープンキャンパスや個別見学を利用すると、雰囲気を体感しやすいです。

チェック⑤:卒業後のサポート(就職やキャリア)

  • キャリアセンターで個別面談ができるか
  • 発達障害に配慮したインターン・面接対策などが行われているか
  • 就職支援と福祉・医療機関が連携しているか

💡**「大学を出たあと」も見据えてサポートしてくれる大学なら、長い視野で安心できます。**


支援を受けたいとき、どうすればいい? ― 配慮を受けるまでの流れ

「支援を受けたいけれど、どうやって申し出ればいいの?」
「診断書がないとダメなのかな…」
そんな疑問や不安を抱えている方も、少なくありません。

ここでは、支援を受けるための基本的な流れと、必要になることが多い準備について、やさしく説明します。

ステップ①:支援窓口に相談してみる

大学には、「障害学生支援室」「学生支援センター」「学生相談室」など、相談のための窓口があります。
入学後であればもちろん、受験前や入学手続きの段階で相談できる大学も増えています

▶︎ 相談の内容例:

  • 授業に集中できないことがある
  • 試験中にパニックになりやすい
  • 履修の管理に不安がある
  • 対人関係でつまずきやすい

この段階では、診断書がなくても大丈夫なことが多いので、「困っていることがある」時点で話してみることをおすすめします。

ステップ②:必要に応じて、診断書や支援記録の提出

支援を「制度として正式に受ける」場合、以下の書類が求められることがあります。

書類の種類内容・目的
医師の診断書 or 意見書発達障害の診断名・特性・必要な支援内容などが書かれている
高校などでの支援記録特別支援教育や合理的配慮の内容・頻度などの履歴
本人記入の申請書類「何が困っているのか」「どういう配慮が助かるか」を自分の言葉で伝えるもの

大学側も「どんな支援が有効か」を判断するため、できるだけ具体的に伝えられるようサポートを受けながら準備しましょう。

ステップ③:大学内での調整と連絡

支援室や相談員は、必要に応じて教員や事務スタッフと調整をしてくれます。
講義や試験、レポートなどで必要な支援が適切に行われるように、本人に負担がかからない形で手続きを進めるのが一般的です。

💡 特にASDやADHD傾向のある方は、「言葉にすることが負担」という場面も多いと思います。
その場合は、「書いて伝える」「同席者に補足してもらう」などの工夫も可能です。

支援は「今すぐ使う」ためだけでなく、“安心のための備え”としても

「まだ困っていないけど、いつか困るかもしれない」
「最初は大丈夫でも、あとから疲れが出るかも」

そんな方にも、支援窓口にあらかじめ登録・相談しておくことは、とても有効です。

困ってから探すより、「いざという時に頼れる場所がある」とわかっているだけで、大学生活の安心感が違ってきます。


まとめ|困難があっても、学び続けられる社会へ

発達障害があるからといって、大学をあきらめる必要はありません。
今、多くの大学が「その人に合った学び方」を大切にしながら、支援体制を整えています。

  • 支援窓口での相談や個別対応
  • 授業や試験での合理的配慮
  • 履修や就職に向けたサポート など

これらの制度は、“特別な優遇”ではなく、すべての学生が公平に学ぶための工夫です。

誰かと比べる必要はありません。
あなたのペースで、あなたらしく学べる環境は、少しずつ増えています。

不安なときは、一人で抱え込まず、まずは相談するところから始めてみてください。
あなたが安心して学べる場所は、きっと見つかります。

ディスカバリーでも、発達障害を抱えている方の大学受験に関するお悩み相談を受け付けております。

あなたのご相談を心よりお待ちしております。

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