
模試の点数が伸びない通信高校生に試してほしい学習法
目次
- 1 はじめに:点数にとらわれすぎないで
- 2 模試の点数に落ち込む前に。具体的な“分析のしかた”を知ろう
- 3 自分に合った勉強法とは何か?──他人の成功パターンに振り回されないために
- 4 試してみて!科目別勉強法3選(国数英)
- 5 限られた時間をどう活用する?通信制高校生のための時間術
- 6 「生活リズムが整っていない」は本当に悪いこと?
- 7 受験前に朝型リズムへ移行するには?
- 8 まとめ|通信制高校生でも「確実に力をつける」学習法はある
はじめに:点数にとらわれすぎないで
通信制高校に通っていると、模試の結果が思うように出ないことも多くあります。
「やっぱり自分は無理かも」「普通の高校生みたいにはいかない」と感じてしまう人も少なくありません。
でも、模試の点数はあくまで“今の時点”の通過点。
特に通信制の学び方は自由度が高く、そのぶん生活リズムや学習スタイルも人それぞれ。ペースが違って当然です。
むしろ、模試でうまくいかなかったからこそ、自分に合ったやり方を見直すチャンスだと捉えてみてください。
焦らず、比べず、自分の「できること」から丁寧に見つけていくことが、これからの伸びに大きくつながっていきます。
次の章では、模試の結果に落ち込んでしまう理由と、その気持ちをどう受け止めていけばよいかをお伝えします。
模試の点数に落ち込む前に。具体的な“分析のしかた”を知ろう

模試の結果が返ってきたとき、大切なのは「点数」だけを見て一喜一憂しないことです。
本当に見るべきは、「なぜその点数だったのか」「次に向けて何をすればいいのか」です。
ここでは、通信制高校生でも実践できる“模試の分析方法”を、具体的なステップで紹介します。
Step①:時間配分の記録を見る
模試の自己採点をするだけで終わっていませんか?
試験中に「どこで時間がかかったか」「焦って飛ばした問題はなかったか」も、重要な手がかりです。
📌 例えば…
- 英語長文:最後の設問まで読めずに時間切れ → 読解スピードを上げる練習が必要
- 数学:大問2で詰まって後半白紙 → 解ける問題を優先する戦略の練習が必要
Step②:問題ごとの正答率と自分の正誤を比べる
模試の結果には、多くの場合「各問題の全国正答率」が載っています。
ここで、「他の人は正解しているのに自分は間違えた問題」こそ、復習の最優先ポイントです。
📌 たとえば…
- 正答率70%以上なのに不正解 → 基本事項が曖昧、要復習
- 正答率30%以下で正解 → ハイレベルな問題には対応できている=強み!
Step③:設問形式ごとの苦手を洗い出す
教科ごとに、設問タイプ別に間違いをチェックしてみましょう。
英語 → 単語問題、文法、整序、長文、会話文
数学 → 計算、関数、図形、証明問題
国語 → 現代文(評論・小説)、古文、漢文、記述問題
📌 「長文は得意だけど文法問題で失点」などの傾向があれば、優先して対策すべきテーマが明確になります。
Step④:自分の“ケアレスミスのパターン”を記録する
意外と見逃されがちですが、模試には「惜しい間違い」がたくさん潜んでいます。
📌 例:
- 単位の付け忘れ
- 記述の語尾ミス(〜である、〜と思う)
- 選択肢の転記ミス
こうしたミスを記録しておくと、次回の試験で同じミスを減らすことができます。
模試の本当の価値は、「自分の弱点や癖を客観的に見つけられること」です。
その分析がしっかりできれば、次の模試や本番での得点アップにも直結します。
自分に合った勉強法とは何か?──他人の成功パターンに振り回されないために

「○○さんは映像授業で伸びた」「△△くんは問題集を何周もした」——
SNSや口コミで、他人の成功体験を目にする機会は多いですよね。でも、それが必ずしも「あなたに合う方法」とは限りません。
勉強法にも、性格や生活リズムとの“相性”があります。ここでは、自分に合った学習スタイルを見つけるための視点を紹介します。
1. 「集中力の持続時間」を観察する
長時間勉強できる人もいれば、30分集中するのがやっとという人もいます。
大切なのは、“続けられるペース”を知ること。
📌 例:
- 25分+5分休憩の「ポモドーロ・テクニック」
- 1時間に1回の休憩を必ず入れる「ブロック学習法」
まずは1週間、自分の集中力がどのタイミングで落ちるかをメモしてみましょう。
2. 「得意なインプット方法」を知る
視覚で覚えるタイプ(読んで理解)
聴覚で覚えるタイプ(聞いて理解)
書いて覚えるタイプ(手を動かして定着)
📌 たとえば…
- 読んでも頭に入らない人は、音声付き動画や解説アプリで始めるのが効果的(手を動かさないと定着しないため要注意)
- ノートに書くと覚えられる人は、問題集の答えを写すだけでなく「考えたプロセス」を書いてみると定着しやすい
3. 「成功体験のあった勉強」を思い出す
過去に「このやり方だと覚えやすかった」と感じた勉強法はありませんか?
中学時代や、得意科目でうまくいった方法を思い出すことで、自分の“武器”を再発見できます。
📌 たとえば…
- 歴史は年表を自作すると覚えやすかった
- 数学は友達に教えることで理解が深まった
4. 「苦手の理由」を掘り下げる
「英語が苦手」→単語が覚えられないのか? 長文が読めないのか?
「数学が苦手」→公式が覚えられないのか? 問題の読み取りが難しいのか?
📌 原因によって、対策も変わります:
- 単語暗記が苦手 → アプリやイラスト単語帳で視覚的に
- 読解が苦手 → 文章の構造を分解するトレーニングを
「自分に合った勉強法」=最小のストレスで最大の効果が出る方法です。
試行錯誤しながら、自分にぴったりのやり方を見つけていきましょう。
ただ、「自分に何が合っているのか、正直よく分からない」という人も少なくありません。そんなときは、受験や学習のプロに相談するのも一つの選択肢です。
学習塾やオンライン指導の中には、通信制高校生や不登校経験のある生徒に特化したサポートを提供しているところもあります。
プロの目線でアドバイスを受けることで、自分一人では気づけなかった改善点や、新しい勉強スタイルに出会えることもあります。
試してみて!科目別勉強法3選(国数英)

英語|音と目と手を使って“記憶に残す”3つのステップ
① 英単語は「見る・書く・読む」で覚える
英単語はアプリに頼るだけでなく、手を動かして繰り返し書くことがポイント。1日50語を「見て、書いて、声に出す」ことで記憶の定着率がアップ。
やり方:
- 覚えたい単語をノートにまとめる
- 1語ずつ書きながら発音・意味を同時確認
- 1週間で復習→覚えたかランダムチェック
📌 覚えたつもりにならず、テスト形式で「定着の確認」を!
② 文法は「短時間×ランダム問題」でアウトプット重視
理解したつもりでも、ランダム問題になると解けないことが多いもの。形式に慣れる&瞬発力をつけるために、演習をこまめに行うことが大切。
おすすめサイト:
📌 ランダム出題が苦手な人は、**有料の個別指導(例:塾やスタディサプリENGLISH)**も検討。
③ 長文読解は「毎回解説を音読・記述」で鍛える
“なんとなく読めた”で終わらせず、論理的に読む訓練が重要。
おすすめ参考書:
- 『やっておきたい英語長文300』→500→700
- 追加で『ポラリス英語長文』も演習に最適
やり方:
- 各段落ごとの要点をノートにまとめる
- 設問ごとに「根拠がどこか」も記述する
- 解説を音読して、自分の読み方と照らし合わせる
📌 独学が不安な場合は、塾での添削・講義受講がおすすめ。
数学|手を動かして「考える力」を育てる3つの方法
① 公式は“導く””使う”ことで覚える
公式を丸暗記するのではなく、なぜその形になるのかを一度自分の力で導き出してみる。また、とにかく練習することが大事。
やり方:
- 白紙に公式を再現する練習
- 図や具体例を使って解説してみる
② 解法の“型”を吸収するときは、1問20分以内を意識
新しい問題パターンに挑戦するときは、長考しすぎず解法を吸収する姿勢が大事。
やり方:
- 20分以上かけてわからない問題は答えを確認
- なぜその手順になるかを理解→自力で再現練習
③ 間違いノートで「弱点の見える化」
ミスを放置せず、自分のミスパターンを整理することで成績UPに直結。
やり方:
- ミスごとに「何を間違えたか」を分類
- 1週間に一度は間違いノートの見直し時間を設ける
国語|読解力と表現力を鍛える「手を動かす」3ステップ
① 段落ごとに「要点1行まとめ」ノートを作る
読解問題で主旨がとれない人に効果的な訓練。
やり方:
- 段落の要点を自分の言葉で1行にまとめる
- 読んだあとに構成(序論・本論・結論)を図にする
② 接続語に注目して構成をつかむ練習
論理構造を理解しやすくするには、**接続語(しかし、つまり、たとえば)**の分析が有効。
やり方:
- 接続語ごとにマーカーで色分け
- その接続語が何をつなげているかをメモ
③ 主語と述語の関係を意識して読む
長文を読む際に意味を取り違えないためには、「誰がどうした」を明確にすることが重要。
やり方:
- 各文で主語と述語に下線を引く
- 読解問題でも文の構造を意識する習慣をつける
限られた時間をどう活用する?通信制高校生のための時間術

通信制高校に通っていると、学校に通う頻度が少ない分、「時間がたくさんあるようで、うまく使えない」という悩みを抱える生徒は多くいます。
特に模試の点数が思うように伸びないときは、「これだけ時間があるのに、なぜ…?」と焦ってしまいがちです。
ここでは、そんな不安を解消するための「時間の使い方」のコツをご紹介します。
小さな習慣を積み重ねる
「毎日○時間勉強しよう」「毎週○○をやろう」と決めるのは立派な目標ですが、これまでに習慣がなかった人がいきなり継続するのは難しいものです。
だからこそ、最初は「毎朝、スマホで単語を10個見る」「ご飯のあとにYouTubeで勉強動画を1本見る」など、続けやすい行動に落とし込むことがポイントです。
「週単位」で目標を立てると管理しやすい
毎日の予定が変動しやすい通信制高校生には、「週単位で予定を立てる」のがおすすめです。
たとえば、「今週は英語長文を3本」「理科の講義動画を5本見る」など、1週間の中で調整できるスタイルが気楽で続けやすくなります。
塾・予備校のサポートを活用するのが安心
とはいえ、自分で予定を立てて、習慣化するのは簡単ではありません。
そんなときこそ、塾や予備校など「スケジュール管理をサポートしてくれる環境」に頼るのが有効です。
📌 塾に通うメリット:
- 勉強時間を強制的に確保できる
- 進度や理解度をプロが管理してくれる
- 「今日はこれをやればいい」が明確になり、不安が減る
塾や予備校の存在は、**「やる気がないから行く場所」ではなく、「迷わず継続できる仕組みを得る場所」**です。
「生活リズムが整っていない」は本当に悪いこと?

通信制高校生の中には、「生活リズムがバラバラで、こんな状態じゃ勉強なんて無理だ」と自信をなくしてしまう人が多くいます。
でも、無理に“普通の生活”に合わせようとする必要はありません。
自分に合った「集中しやすい時間」を見つけよう
朝が弱いなら、午前中はゆっくりして、午後や夜に集中できるようにする。
深夜のほうが頭が冴えるなら、その時間帯を「学習タイム」にしても構いません。
大事なのは、「何時にやるか」よりも、「どれだけ集中できる時間をつくれるか」です。
完璧な生活より、“確実に続くスタイル”を
「毎朝7時に起きて、夜10時に寝て…」という生活が理想的に思えるかもしれませんが、
それがストレスになるなら、むしろ逆効果です。
むしろ大切なのは、
- 1日の中で、30分でも集中できる時間を確保する
- 食事・睡眠・リラックスをバランスよく取り入れる
- 自分の体調や気分を理解しておく
という、“続けられる生活”をつくることです。
周囲と比べなくていい
「高校生なのに、こんな生活で大丈夫かな…」と思うかもしれませんが、大学受験は**“誰より早起きできた人”が勝つ戦いではありません**。
あなたの体調・ペース・心の調子を大事にしながら、自分なりの勉強法と生活スタイルを築いていくことが、模試の点数を上げる最短ルートになります。
受験前に朝型リズムへ移行するには?

模試や入試本番は、朝から行われるのが一般的です。
普段は夜型の生活でも、本番直前には“朝型リズム”にしておくことが大切です。
ここでは、無理なく朝型に移行するための具体的な方法を紹介します。
① 起床時間を少しずつ早める(毎日15分ずつ)
いきなり「明日から6時起き!」と決めても、体がついていきません。
まずは1週間かけて、毎日15分ずつ起床時間を早めていくのがおすすめです。
例:
月曜:8:00 → 火曜:7:45 → 水曜:7:30 …というように、少しずつ慣らしましょう。
② 朝日を浴びる(体内時計をリセット)
朝起きたら、まずカーテンを開けて自然光を浴びる習慣を。
太陽の光には、体内時計をリセットする力があり、眠気を吹き飛ばしてくれます。
ポイント:起床後30分以内に、10〜15分程度でOKです。
③ 朝に「軽く体を動かす」または「声を出す」
軽いストレッチや、ラジオ体操、音読などでもOK。
身体や脳を刺激することで、朝の眠気を解消しやすくなります。
特に音読は、受験直前の“脳のウォーミングアップ”にも効果的です。
④ 朝のルーティンを決めておく
「起きたら歯を磨く → コップ1杯の水 → 音読10分 → 勉強スタート」など、
毎朝同じ行動を繰り返すことで、自然と頭が勉強モードに入ります。
⑤ 寝る前のスマホ使用を控える
就寝前のスマホは、ブルーライトの影響で入眠を妨げます。
夜は、読書や日記、瞑想などのリラックス時間に切り替えると◎。
こうした方法を使って、受験の1〜2ヶ月前から朝型に近づけていくと、本番の集中力が格段に上がります。
まとめ|通信制高校生でも「確実に力をつける」学習法はある
通信制高校では、自分で学習を進めなければならない場面が多く、模試や受験に対する不安を感じることもあるかもしれません。
しかし、自分に合った勉強法を選び、手を動かして着実に学ぶ習慣をつけていけば、模試の点数も、志望校合格も確実に近づきます。
本記事で紹介した学習法のポイントをおさらいします:
- 英語: 書く・読む・声に出す3ステップで記憶に残す
- 数学: 考え方と解法の型を20分以内で吸収・復習
- 国語: 要点まとめ・接続語分析・構造把握で読解力を強化
さらに、
- 習慣化には「週1回の振り返り」がおすすめ
- 朝型リズムへの切り替えで集中力UP
- 不安なときは塾やプロ講師に頼るのが最短ルート
自信がないときほど、今の自分を否定せず、「どう変えていけばうまくいくか」を前向きに考えることが大切です。
学習に不安があるなら、一人で悩まずに、自分に合った支援や指導を受けてみる勇気を持ってください。
あなたの努力は、きちんと結果につながる力になります。
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